DJ Family & DJ Fulltono - Special 対談
ゲットーテック年表 付き!!

日本でも数少ない、「ゲットー・テックDJ」 として活躍するDJ Family & DJ Fulltono
の対談!
ゲットーテック年表、ゲットーテックの誕生など、 どのジャンルの人にも楽しめる内容!



DJ Family & DJ Fulltono - Special対談

Q, まず、お二人の出会いについて教えて下さい。

Family: ゲイバー。
Fulltono: ゲイバーで。

Q, ・・・・・。それでは、日本では馴染みの浅い「ゲットー・テック」とはどこで誕生したんですか?

Fulltono:
デトロイトやシカゴ周辺ですね。
シカゴハウスが世界で猛威を奮ったのが1993〜1995年頃。
その後のシカゴハウスはケツとかセックスの要素が強くなっていった。
Dancemaniaというレーベルがそうですね。150番位からケツだけって感じだった。
僕はそのケツを追っかけてました。

Family:
250番くらいから高速化しだした。
最後は285番くらいまでリリースしてたかな。その後デトロイトのDJ Godfatherが
Dancemaniaのアーティストたちをゲットーテックというフォーマットへ吸収していった。

Fulltono:
テクノでも、エレクトロでも、ヒップホップでもない、
BPMはどのジャンルともリンクしない、何て独創的な音楽なんだって興奮しました。
当時アメ村にある新譜扱う12インチ屋さんでバイトしてたんで、
USのディストロから流れてくるFAXを食い入るようにチェックしてました。



Family:
WJLBというデトロイトのラジオを聞いていたら、
ある日、放送事故みたいなレコードが次々とかかって、
翌日すぐに問い合わせて、ありったけのゲットートラックを発注した。
その時点ではターンテーブルすら持ってなかったけど、
このフォーマットなら何かできるかもって。

Fulltono:
ゲットーテックはそのトラックの構成が独特で、どれも「Bitch」とか「Pussy」のような
短いボイスサンプルをループして、そこにエレクトロビートを乗せただけの極めて単純なトラックばかり。
普通に聴いていても何の面白みも無い。

Family:
2分と聞いてられないね。
ミニマリスティックだけどミニマルミュージックではない。

Fulltono:
発想としてはバトルブレイクスと同じかな。それをテクノ・ハウストラックに乗せた感じ。
2枚使いやブレンドしやすいように意図的に単純に作っている。
デトロイトのレコードショップでは皆2枚づつ買っていくから、
売り上げも他のジャンルの倍だったという。とはいっても局地的にやけどね。

Q, デトロイトのキッズ達はテクノを45回転でスピンし
バトル・ダンスを踊るようですがその他の国でそのような
流れはあるのですか?

Fulltono:
これは恐らく地元のシーンですね。
デトロイトではJit、シカゴではJukeと呼ばれているみたい。
YouTubeにその類の動画は沢山アップされているんだけど、本当に楽しそう。

Family:
33回転のレコードを45回転でスピンするのは、昔のハウストラックと
速いゲットートラックとのピッチを合わせる為。

Fulltono:
僕も良くディープなミニマルのレコードを45回転でかけるけど、踊ってる人は殆ど気づいて無いよ。
この前ムーディーマンを45回転で回したときは「何考えとんねん」って怒られたけど。
ダンサーは僕がスピンする150〜160BPMのトラックは踊りにくいみたい。

Family:
ハウサーならいけそう。女の人が良い。
カッチカチの音でクニャクニャやって欲しい。

Fulltono:
それと、2007年くらいからはデジタルリリースのみになったことで
地元のDJは殆どSeratoでやってるんじゃないかな。
DJ Godfatherはデジタルになってからもアナログと変わりなく操ってる。

Family:
以前は(レコードを)100枚くらい積み上げてプレイしてたんだけど、(写真1)
かけ終わったレコードをフロアにポイポイ投げていたせいで
持ってるレコードの半分はダメージでゴミになっちゃった。
あんな事やるんじゃなかった。おかげで今はTraktor Scratch使ってる。
楽しかったけどね。

Fulltono:
「これいつか使えなくなるよね。」って自分で言ってたやん、
傷入ったらまた買えばいい、ってもう売って無いしね、
でも過去のリリースはほぼデジタル化されてますよ。

Q, これは外せない、ゲットー・テック・レーベルを教えて下さい。

Family:
デトロイトのDatabassは勢いあるね。言いだしっぺだからね。
初期はURのエレクトロベースにマイアミテイストを加えた感じだったかな。
リリースされるたびにBPMが速くなっていって、音やビートも抜けが良い、簡素化されたものになっていった。
デジタルリリースのみになってからはスタイルに幅を持たせるようになって、ポップな路線とディープな路線と2極化してるね。
もはや他のどのダンスミュージックとも全く噛みあわない、突出した路線をひた走ってる。

Fulltono:
シカゴのJuke Traxも面白い。Dancemania後期の連中が再び立ち上がり、
ダンサー用にJukeトラックをリリースしてます。Jukeのベースはヤバイですよ。
ダブステップとかは、モロに「ベース」って感じですが、Jukeの場合
よく聴いたらこの曲エグいくらいベースでてない?ってところが面白いんです。

Family:
家のシステムでは聞こえないんだよね。
これは裏にベースが隠れてるに違いないと思って、
いざクラブで流してみたら、フゴフゴ鳴ってるだけだったりするね。泣ける。

Q, 国内・海外で気になるDJ, Artist, を教えて下さい。

Fulltono:
日本国内なんて僕ら2人だけですやん。いる?

Family:
いない。

Fulltono:
オリンピックのマイナー種目みたいなもんですよ。シーン引っ張って行きたい人は是非始めて下さい。
あと、海外のアーティストは、「最近あの人リリースしてないな」と思ってよくよく調べたら逮捕されてたりとか死んでたりとか、
そんなんだし、

Family:
Dancemaniaの中でもトラッカー的な存在だったDJ Miltonは
マーダーとキッドナッピングの罪で、出所する頃は70歳過ぎてるって聞いたよ。ジジイだね。
ただ、振り返ってみると2007年に死んじゃったDisco Dの影響はあったかも。Dancemania後期の音と
デトロイト産のテクノを、あたかもヒップホップのようにミックスするスタイルは面白かった。

Q,最後に

Fulltono:
日本は日本で独自のシーンがあってしかるべきだと思う。
今あるシーンに飽きてる人が何となく集まってきて、
知らないうちに一個のもんを奪い合うようになったら面白いでしょうね。
僕が知らないだけで、もうどっかで始まってるのかもしれない。

Family:
ありがとうございました。


<ゲットーテック年表>

DJ Godfather / Pimp (1996)
おそらくこの1枚からゲットーテックが始まった。
2曲目「Pimp」は、WESTBAMのミックスCDにも使用される等、BOOTYエレクトロをテクノ界に知らしめ、今なお現役でスピンされているビッグアンセム。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_goid=300003078&ps_alid=500000704'

313 Bass Mechanics / Dress To Sweat (1998)
DJ Nasty変名。デトロイトベース直系のエレクトロビートに乗せたボイスループが一気にフロアを押し上げる鉄板チューン。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500000294

DJ Omega / Shake That Thang (1999)
ボイスサンプリング・ベースリフがめちゃくちゃ荒削りなゲットートラック。この荒さがフロアで化ける。そう、「化ける」というのもゲットーテックの魅力の1つである。当時DJ Godfatherと共に人気だったDJ Assaultのミックスも収録。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500000299

Starski and Clutch / Triple Gold (2001)
必ず盛り上がる3曲目「East to West」収録。
StarskiはDJ Godfatherとのコンビでも使える良質トラックをリリース。そしてClutchの正体はSpectral SoundやPlanet-MuからリリースするTodd Osborn。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500000306

Waxmaster / Footwork (2002)
文章中でも話題になっている、シカゴのDanceManiaレーベル組だ。
WaxmasterはDanceMania全盛期にDJ Funkらと共にボイスループ系のゲットーハウスを連発していた。日本では96年に田中フミヤのミックスCDに収録された「Stop screamin」がDanceMania人気の火付け役となった。これはその頃のお宝トラックをDatabassがライセンスリリース。注目すべき点は、当時のリリースよりピッチを速くして収録されていること。リマスタリングなら分かるが、勝手にピッチを速くしてしまった。現在のゲットーテックとピッチを合わせやすいように配慮がなされているのだろうが、他のジャンルでは考えられない発想である。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500000312

Mr.DE / The Foreign Exchange EP(2002)
Electrofunkのボス、Mr.DEもゲットーテックを数多くリリースしてきたが、これはDatabassからの唯一のリリース。Jazzyなテーストをゲットーテックで表現するMr.DE又はAJ McGeeの作品をスピンすると、キッズなフロアが一気に大人ムードに。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500000313

DJ Godfather and Starski / D.E.T. Only Vol.1 (2003)
Databassのサブレーベル「D.E.T.」は、DatabassよりさらにDJツールに特化している。
ゴッドファーザーが必ずプレイする「Piano Jit」収録。音数が極めて少ないのにこのインパクト!
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500000161&ps_goid=300000657

DJ Clent / Back Up Off Me (2004)
シカゴのJuke TraxからJukeダンスチューン。文中にあるバトル・ダンスのためのオケが正にこれ。3曲目に収録された「Bounce」はダンサーの間でヘビープレイされているようだ。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500001030

DJ Nasty / 100% Hood Certified(2006)
現在はR&Bのカバーを数多くリリースするDJ Nastyの作品。
2曲目「NoMercy」の1曲だけでは物足りないバトル使用な感じが正にゲットーらしい。
一時シーンではオーケストラ風の大げさなサンプリングを使うのがブームになったが、
その中でもこれは一番の出来。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500000994

DJ Godfather / My Versions Vol. 4(2007)
デジタルリリースに完全移行し、レーベル名もDatabassから「Databass online」に。ハイペースなリリースで現在に至る。作風にも幅を持たせ、R&B・HIPHOPを大胆にコラージュしたPOPチューンも数多くリリース。しかし現在のDJ GodfatherのDJプレイを見るかぎりでは丸くなった印象は無く、ストイックなバトルスタイルを追求し続けている。POP路線はあくまでもシーンを活性化する為の1つの手段とも取れる。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500000462&ps_goid=300002843

DJ Rashad / Something 2 Dance 2(2008)
シカゴのJuke traxも完全デジタルリリース化。あくまでもベースミュージックに拘りつつ、テクノアンセムを大胆に使用したり、やりたい放題のレーベル。
http://www.king-beat.com/g_album_detail.php?ps_alid=500001089


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